第二日目 ('94. 3. 13)
京 都 か ら 野 州 (滋賀県)へ

午前5時に起床、6時に我家を出発。 JR大阪駅発7時11分の快速電車に乗り、7時50分JR京都駅に到着 ―――  今日の旅は京都から始まります・・・・ 

近江路は天気晴朗にて・・・

今日は雲一つ無い絶好のウオ―キング日和!!
前回は手ぶらのNさんは大きなリュックを背負い、私といえば登山でもするような格好・・・
二人とも初日の<嵐の行軍?>に懲りたので今日は完全装備だ!
もう何が起こっても恐くないッ!


午前7時55分 京都駅(八条口)を出発。

塩小路を東へと歩き<三十三間堂>から東大路を北上して祇園へ。そして<八坂神社>
から丸山公園を抜けて、岡崎の京都国立近代美術館前を右折し<南禅寺>から蹴上へ
と向かった。

「リュックが重い!!」
蹴上から九条山に向かう途中でNさんが悲鳴を上げた。
「一体、何を詰めてきたンや?」
と云いながら彼のリュックの中を覗くと衣類や飲料水の他に5~6本のバナナが出てきた。
前回の旅で<飢餓状態>になったので今回は食料に万全を期したらしい。

「街中を歩くにしたはチョット食い物が多すぎマっせ~!」
ちょうど腹も幾分減っていたのでとりあえずバナナ2本づつを二人の胃袋に納め、ついで
に水筒のお茶を半分ほど捨てるよう彼に進言した。
そして、彼のリュックが幾分軽くなったところで再び出発。

山科の旧街道を過ぎ<逢坂峠>に差し掛かると道は国道1号線と合流する。
エンジンを全開して急坂を登るクルマの騒々しさに閉口しながら峠を越えると、突然
視界がパァ~と開け、目の中いっぱいに美しい琵琶湖が飛び込んできた。
「絶景や!」
エメラルド色の湖と純白の雪におおわれた蓬莱山系、そして紺碧の空・・・

今日の琵琶湖は格別の眺めだ!
見慣れた景色も京都からテクテク歩いて来たのでまるで初めて見るような感動を覚える。
昔の人も苦しい逢坂峠を越えてこの雄大な景色を眺めた時、きっと感嘆の声を上げたに
違いない・・・

「ウンコしたい・・・」と突然、Nさんが言った。
美しい景色から、一転、クサイ話になったのは大津駅前を過ぎて暫らくしてからだった。
生憎、付近には用を足す適当な場所がなく、冷や汗をかきながら歩くこと、約10分
やっと大津市民病院のトイレに駆け込む事ができた。

「朝、済ましてきたと云ってたのに腹の調子でも悪いのか?」と相棒を気遣う私。
「いいや!絶好調や!」とNさん。
旅に出ると相棒の健康状態も大いに気になるのものだが、<2度クソは健康の証>と
聞いてホっとする。

身の軽くなった(?)Nさんが先行し膳所(ぜぜ)駅前を過ぎて、国道沿いの<王将>で昼食。
ここまで4時間、約20kmを歩いた事になる。

今日の旅はこの先の草津で終了の予定だったが、この調子だともっと遠くまで行けそう
に思ったので日の暮れるまで歩こうと云う事になった。

「さぁ、出発!」
と王将を出たのが12時20分、満タンになった腹がちょっと重いが足どりは軽い・・・
Nさんの細君が子供の頃住んでいたという石山を通過し先を急いだ

「近くを通る時は必ず連絡してくれ!」と草津の東矢倉に住むFさんに云われていたが
より遠くまで歩きたい我々は、その有り難い言葉に応える余裕もなくその地を急ぎ足で
通過した。 「Fさん、奥さん、ゴメンナサイ!!」

草津追分町を過ぎ、手原で1号線の鈴鹿峠方面へは向かわず国道8号線を選んだ。
江戸時代なら、「東海道に別れを告げ中山道へと向かった・・・」と云ったところだろう。
東京へはちょっと遠回りになる中山道(8号線)を選んだのは歴史的な見所が何かと
多かったからだ。

国道8号線もやたらクルマが多く情緒に欠ける道だ。
正面に聳える三上山(近江富士)が無ければこんな道は歩きたくない。

分岐から2kmほどの野州川に差し掛かった頃、とつぜん猛烈な風が我々を襲った。
「何だ!何だ!この風は・・・」
空は一転かき曇り、ポツ、ポツと雨まで降ってきたぞ!!。
「凄い風や!吹き飛ばされるゥ!」 一瞬、私は前回の宇治川大橋の悪夢を思い出した。

強風と戦いながら何とか橋を渡りきると風はウソのようにおさまった。
だが、喜んだのも束の間、三上山の麓の<三上神社>あたりで今度は雨がザァ~と
降って来た。

「あの家の軒先でカッパを着よう!」
と無人らしき一軒家に飛び込んだ時、我々の少し先で一台のパトカーが止った。
そして、警官二人がジッと我々を監視し始めた。

リュックの中のカッパを取り出し、ズボンをはき上着をつける間も、水筒のお茶を飲む間
も彼らは我々から目を離さない。
それどころか、今にもクルマから飛び出さんばかりの様相だ・・・

「気分悪いポリさんや!ちょっと文句云ってやろう」
とパトカーへ向かいかけてハタと気がついた。
この時期、全国の神社で過激派による放火が多発していたから神社前の廃屋の軒先で
ゴソゴソしている我々を不信に思ったのであろうと察した。

「神社の前でウッカリ着替えも出来マヘンなぁ!でも、雨降ってる時に放火しまへんで~」
身支度を終えて、再び国道を歩き出した我々を確認した警官はパトカーを反転させて走り
去った。

国道は三上山と妙光寺山の裾を回りこむように延び、序々にJR東海道線へと近づく。
JR野州駅はすぐ近くだ・・・雨はもう止んでいた。
「今日は野州でゴールにしよう!」体力は充分残っていたが、ぼちぼち日暮れだ。

8号線の<野州駅入口>を左折すると10分ほどで駅に着いた。
時刻は午後4時31分、万歩計は52,470歩になっていた。
「今日は35kmほど歩いた・・・天気が良かったので楽々やったなぁ!」

―― 第2日目 完 ――

Memo
今日の行程(歩数) 52,470歩(距離) 35km
交通費(往路) 近鉄山本駅~JR京都駅  1,100円(帰路) JR野州駅~近鉄山本駅  1,640円
飲食、その他中華ランチ、ビール、コーヒー合計  1,660円

100万歩の旅の目次へ戻る3日目 野州から能登川(滋賀県)へ