第7日目 ('94. 9. 23) |
岐阜から犬山へ(愛知県)へ |
道に迷う!
国道21号線は岐阜から鵜沼まで東へ一直線・・・そして、鵜沼から木曽川を渡ればすぐ犬山だ!
国道を行けば、<らくらくウオーキング>と思った我々は、地図も持たず、下調べもしないまま出かけた
だが ・・・
午前10時25分 身支度を整え、JR岐阜駅前を出発
出発と同時に犬の<ウンコ>をグニュッと踏んづけた!
「ウヒャ~! まだ新品の靴やで~! ゲンクソ悪いなぁ~」
先日、大枚を叩いて買ったばかりのウオーキングシューズにウンチがべっとり!!
「ウンがついて、今日は何か良いこと有りそうや!」 と相棒がすかさず云った
でも、今の私は不運の真っ最中だ ・・・
ウンチを拭い去るのに少し手間取ったが、何とかクリーンになって再スタート!
我々は国道21号線に向かうべく、岐阜駅を南へと急いだ
空は少し曇っているが、雨の気配は無し
只今の気温は早くも27度、今日は32度ぐらいになるらしい・・・
岐阜の残暑はまだまだ厳しい
暫く歩くうちに、<中山道>と書かれた道しるべを見つけた
<関が原>あたりを通過してから、まわり道ばかりして来たので<中山道>とは
久し振りの合流だ
「こっちの道、行こか?」
今日は国道ウオークの計画だったが、早くもルートを変更することになった
国道は何かと便利で安心だが、やっぱり、味気ない ・・・
旧道へ進路を変えた我々は<切通>という所を通過し、昔の面影を残す町中を
ひたすら東へと向かった
クルマの少ない旧道は騒音や排ガスに悩まされることも無く、すこぶる快適だ!
ピッチはどんどん上がり、マラソンランナーのように町中を駆け抜けていった
(ちょっと表現がオーバーかな???)
だが ・・・
<東海北陸自動車道>の高架下あたりに来た頃、<中山道>から外れている
事に気づいた
いったい、どこでどう道を間違えたのだろう???
道を訊ねようにも、このあたりは人っ子一人見当たらない
これまで、どの地方でもそうだったが町を少し離れると人を見つけるのに苦労
する・・・ 都会は人が多過ぎるが、田舎は人が少な過ぎる!
「道標のある所まで引き返すか!」 と、一瞬、思ったが
まぁ、そんな<あと戻り>の決断はもう少し先でも良さそうだ、とも考えた
「急(せ)いては事を仕損じる」
こんな時は、慌てず、騒がず、ひと休みしてから考えるのが一番!
ちょうど腹も空いていたので、少し東進し、道路沿いの<自徳寺>という寺の
境内で休憩を兼ねて弁当を広げた
きょうは、国道沿いの食堂を利用する予定だったので、弁当不要と思ったが
<万が一>ために駅弁を買っておいたのが幸いした
このあたり、見渡す限りメシ屋など見当たらない! (下の写真の如く・・・)
それにしても、ここは一体どこや?
帰阪してから調べたのだが、<自徳寺>は中山道からも国道21号線からも外れた県道沿い
にある事が判った
間違えたと思われる道の写真が1枚あった
木曽川街道と書いてあるので、多分、県道160号線(現95号線)ではないだろうか?
「気ままな旅でも、やっぱり地図が要るなぁ~!」
と昼食の後、二人でちょっと反省?
このままこの街道を行っても、多分、犬山へ行けそうだが、各務原(かかみがはら)
の国道沿いに有る航空自衛隊基地に是非とも寄って見たいので、当初の計画通り
国道21号線を目指す事にした
「国道ならそう遠くないよ・・・」
この付近でやっと見つけた人に国道の場所を訊ねた
教えられた通り、寺から東へ少し歩き左折すると、ほんの10数分で国道が見えた
「なあ~ンだ! 国道はこんな近かったのか!!」
地図が有ればすぐ判るのに ・・・ と、またまた地図不携行を悔やんだ
そして、クルマがビュンビュンと行き交う殺風景な国道を歩くこと1時間余・・・
名鉄<三柿野>駅付近の歩道橋の上から航空自衛隊の基地の一部が見えた
ほんの覗き見の基地見学だが、今日の旅の目的を一つ達成したので大いに満足!
と、云うことで ・・・ 国道ウオークはここまでとした
殺風景な国道をセカセカ行くより、木曽川を眺めながらのんびり歩こうと云うことに
なって、またまたルートを変更した
国道を外れて南に向かえば木曽川に出る筈だ
航空自衛隊基地を過ぎ、しばらく行って国道を右折した
集落を通り、畑の中を通り、行き当たりバッタリで南へと向かった
だが、その道は素直で無かった
道が突然無くなったり、北へ行ったり、西に向かったり、グルッと元に戻ったり ・・・
いろいろ無駄足を重ねた揚句、やっとの事で木曽川畔に着いた
しかし、何と、何と!
土手の上にはびっしりと新興の住宅が建っているではないか!
遊歩道も無く、おまけに住宅直下の河原は高い垂直の護岸壁の下なので川へ
降りる事も出来ない ・・・
「あぁ~あ! ここまで来て、何たる不運!」
と嘆きながらも、遊歩道を探し求めて住宅地をなおも東に向かった
「今朝、犬のウンチを踏んだのは悪ウンだったのかなぁ~!」
と、朝の災難を思い出しながらウロウロする内に、住宅地が終わり、道もとうとう
行き止まりになってしまった 「あぁ~! ウンの尽きや・・・」
「道が無くなったら、バックするしかないなぁ~!」
考える余地の無い選択に相棒も私も即、合意 ・・・
これまでの7日間の旅で、初めて<あと戻り>を経験することになった
国道から南下の途中で横切った<広い道>まで戻れば良いだろう
あれは、多分、県道だ ・・・
ここから30分は掛かるだろうが県道へ出れば犬山まで一直線のはずだ
「では、戻ろう! 善は急げだ・・・」
木曽川沿いのウオーキングを諦めた我々は、足早に来た道を戻った
あぁ~、東京へ行くのに西に向って歩くとは思いもしなかった・・・
帰阪後、地図で調べたら、後戻りしなくても県道へ出る道は幾本か有る事が判った
だが、この時は知る術も無い ・・・
予想通り30分ほどで<広い道>に戻ることが出来た
往復で約1時間ほど道草を食ってしまったが、まぁ、これも旅のご愛嬌だ!
夕暮れまで、まだ時間はたっぷり有る
東へと延びる道を行く内に予想通り<県道160号線>の標識と<犬山方面>と
書かれた道路案内の看板を見つけた
「よしよし、これで良し! もう目をツブッてでも行けるぞ~!」
目標が定まったので歩く速度も早くなった
やがて、前方の小山の上に<犬山城>が見えた
ゴールはもうすぐだ!
さぁ、ラストスパート!
歩く速さは、更にスピードアップ ・・・
そして・・・アッと云う間に木曽川に架かる<ライン大橋>に到着した
夕日に映える<犬山城>は本当に美しい! (疲れた顔が邪魔ですが???)
水面に浮かぶ古城を眺めていると、時の過ぎるのを忘れてしまいそうだ
だが、今日の旅はまだ終わらない ・・・
景色を楽しみながら<ライン大橋>を渡ると、いよいよ愛知県だ!
県境を越える時、私はいつも束の間の感動を覚える
大阪、京都、滋賀、岐阜 ・・・
それは旅の途中で一つの区切りを終えた小さな達成感のせいかも知れない
クルマや電車に乗ってでは決して味わうことの無い感動だ!
16時5分 犬山城に到着
閉門まで1時間ほど有ったので入場料300円を払って城内を見学
1994年9月23日の犬山城・入場券です : 説明文にあるように国の宝です
4~50分の見学のあと出発し、約20分で名鉄<犬山駅>前の広場に到着した
「地図が無くても、無事、ゴールインや!」
いつもなら、ここでビールタイムだが、先程、犬山城で呑んだので祝杯は省略し
駅舎へと急いだ
勿論、再び犬の<ウンチ>を踏まないよう慎重に歩いたのは云うまでもない・・・
今日の行程 | (歩数) 33,561歩 | (距離) 25km |
交通費 | (往路) 近鉄山本駅~近鉄名古屋駅 3,540円 名鉄名古屋~新岐阜 440円 | (帰路) 名鉄犬山駅~名鉄名古屋駅 520円 近鉄名古屋駅~近鉄山本駅 3,540円 |
飲食、その他 | 缶ビール 230円+350円 水割り(缶) 250円 駅弁 800円 夕食 1,000円 土産 1,780円 犬山城見学 300円 | (食費その他・小計) 4,710円 本日の総費用 12,750円 |
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