五番関の女人結界門です
吉野山から熊野へと続く<大峰・奥駈道>はここで結界門をくぐります
女性はここから下山道を洞川温泉郷方面へと下らなければなりません
結界門から杉木立の急坂を登り詰めると尾根に飛び出します
道の両側は深い深い谷ですが、明るくて平坦な尾根道は気分爽快!!
さすが世界遺産!
「こんな道は野郎なんかと歩くより女性と一緒の方がイイなぁ~!」と、誰かが呟きましたが、ここは既に願い叶わぬ女人禁制の道 ・・・
ブナやカエデやナナカマドそれにウラジロモミなどの緑したたるのトンネルが続きます
風の音、鳥の声、木々の香り、澄み切った空気 ・・・
我々の行く太古の道は、この世のものとは思えないほど清らかで美くしい!
だが、だが、 ・・・ 修験の道はいつまでも優しい道ばかりではありません
いよいよ荒々しい岩場のお出迎えです
ロープは得意な Yasuda804(?)ですが、ここは慎重の上にも慎重に ・・・
急峻な岩上に足場をしっかり確保しながら一歩一歩登ります
「あぁ~、やれやれ ・・・ 」
ロープ場を無事に通過した我々は、やがて、洞川(どろがわ)結界門からの道と合流する<洞辻茶屋>に到着しました
ここまで登山口から約2時間、相変らずのスローペースです
道を跨ぐように建てられた休憩小屋の中を通り抜けると、登山道は荒々
しい<行場道>と、穏やかな<平成新道>に分かれます
我々は、勿論、険しい<行場道>へと向かいました
クサリ場を越え、最大の難所<鐘掛岩>へ ・・・
鐘掛岩の登り口にこんな看板がありました
鐘掛岩はテッペン付近にオーバーハングした岩があり、靴半分位の突起する岩に、左右の足を間違えて置くと身体は岩壁に貼り付いたような状態となり、上へも登れず下へも下れず全く動けなくなります
順序を間違えずに左右の足を突起(岩)に確保すれば問題ないのですが、登っている人の目では判らないので先達や案内人が先に登って指示を出す、と云うのがこの看板の主旨です
山先達や案内人も無用、と Yamada505 が鐘掛岩に挑戦しました!
だが、早くも進路が違います ???
「直登は無理や! 左に巻かなアカン ・・・」
左の足場へと軌道修正した Yamada505 は更に上へと登ります
頭上にオーバーハングした岩が見えます
岩場の下から眺めると、Yamada505 があと背丈一つ登るとテッペンから垂らしてあるクサリを使って問題の岩を容易に越えられそうに思えます ・・・
Yamada505 の頭上の岩を拡大してみました(下写真)
未登の私にはよく分かりませんが、この写真から推測するとクサリに到達するまでの背丈一つの間の足の置き方が問題ではないかと思えます
「お~い、Yamaチャ~ン、もうぼちぼち戻ってこいやぁ~!」
このままだと更に前進しそうな Yamda505 なので、崖下で待機していた長老が大きな声で叫びました
Yamada505 なら難なく登れそうな岩場ですが、ここは<山の掟>、即ち
”大峰山寺”の看板にある<山先達か行場案内人の指示に従って下さい>との文言は守らねばなりません
「O.K! では下りまぁ~す!」
長老の声と共に彼もまた先刻承知と、登る一歩を戻しました
斯くして、天罰が下るのを恐れる我々はこの<山の掟>をしっかりと守り
安全な「巻き道」へと進路を変更しました
まぁ、私自身は、もう少し長生きしたいのでこんな危険な岩場は最初から登る気はありませんでしたが ・・・ 念のため!